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プレイヤースキル 財力 厨房度 ★★★ ★★★ ★ ランカークラス キルクラス Class B デット数 所属部隊名 発言の痛さ 勝ち馬属性 結構ライダー 戦闘スタイル 両手 階級 伍長 総評 見たことないぞ 本人への要望 もっと目立って下さい 上手くとも何ともない普通の課金ヲリ ランキングに載る事はほとんど無く 与ダメもキルも平凡かそれ以下なので目立たない まあキル取りは水準以上
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510: 名無しさん(ザコ) :2017/05/25(木) 22 06 52 ID BzaSkkV60 聖賢者ユート(高嶺悠人)@永遠のアセリア 分類するなら火力重視のスーパー系。 攻撃力と消費が小刻みに段階分けされた武器が揃い、標的の強さによって最適な武装を使い分けられる。 ブースト等の特殊能力こそないものの、最強必殺技コネクテイドウィルの攻撃力は2700と申し分ない。 無消費~低消費帯も高性能なので頼れるが、有射程はオーラフォトンノヴァしか持たないなので、 飛び道具に反撃しようとすると、35ENを使わざるを得ないのが残念。 回避375Mに加え、並程度の切り払いもあるので、ザコ戦なら時々避ける事もあるし、 HP4700・装甲1100なのでザコ戦で一撃死or瀕死という事は少ないと思われるが、 防御は基本「ひらめき」頼りになるだろう。 総合的に、主人公として必要十分な実力を備えてはいるが、 派手な特殊能力や戦闘SPがないぶん、他作品の後期型主人公と比べてしまうと、 その戦闘能力において少々迫力不足な感は否めない。 それもそのはず、この戦闘力を持ちながら、「みがわり」を持っている。 これをガンガンバラまいて味方を守りつつ、余ったリソースで時々戦闘にも顔を出す…というのが、 最適な戦闘スタイルかもしれない。
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発売日 2003年11月28日 ブランド Xuse タグ 2003年11月ゲーム 2003年ゲーム ザウス ザウス【本醸造】 キャスト 清水香(アセリア・ブルースピリット),乃田あす実(高嶺佳織),大野まりな(オルファリル・レッドスピリット),カンザキカナリ(エスペリア・グリーンスピリット),三木本彩響(レスティーナ・ダイ・ラキオス),橘裕美(ウルカ・ブラックスピリット),鳩野比奈(倉橋時深,ヒミカ),秋月まい(テムオリン,セリア),山本直子(岬今日子,ヘリオン),紫月澄人(高嶺悠人),間寺司(碧光陰),釼持成行(秋月瞬),山川敦也(クェドギン),高岡政人(ラキオス国王),本条真琴(ネリー),文月かな(夏小鳥),竜ヶ崎まや(ファーレーン),茶谷やすら(ニムントール),如月葵(ハリオン,ナナルゥ),佐本二厘(時果) スタッフ Game Design:高瀬奈緒文 Game Planning:MS・小山 Scenario:座敷猫 Character Design:人丸 Director:Tak,BAKU Graphic:夏華瑠璃,十五夜,ムガルデンゾウ,シイナマサキ,hi-ro,たけちー Secreen Design:髭口,凛華 Effect Design:銀狐毒朗 Program:おじゃわざお,イガグリ,梨本裕司,伊藤雄一,MOJA Sound Producer:遠藤智洋 Sound:畑亜貴 SE/ME:U-Bow 録音スタジオ:Studio USE Publish Edit:なるー♀,ねこぷれす,里見心,はるか,伊藤文戯,妙 協力:イートレックジャパン(株),アコルト,AsLead,アトリエピーチ,(株)81プロデュース,office SAY,(株)シグマセブン,(有)ジェオ,(株)ぷろだくしょんバオバブ,(株)マウスプロモーション 制作総指揮:吉田ユースケ 著作・制作:株式会社ザウス オープニング曲 「永遠のアセリア」 唄:川村ゆみ 作詞:吉田ユースケ 作曲:matur suksema エンディング曲 「この大地の果てで」 唄:Ta- 作詞:吉田ユースケ&はるか 作曲:matur suksema
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永遠のアセリア -The Spirit of Eternity Sword- 【えいえんのあせりあ ざすぴりっとおぶえたにてぃそーど】 ジャンル 異世界召喚シミュレーション 画像はPS2版 対応機種 Windows98/Me/2000/XP メディア CD-ROM 2枚(初回版) DVD-ROM 1枚(後期版) 発売・開発元 ザウス【本醸造】 発売日 【初回版】2003年11月28日【後期版】2004年2月20日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 配信 2010年8月6日/4,094円 判定 良作 ポイント 本格的な異世界召喚系のSLG世界観に合うクセが強めの立ち絵『永遠神剣シリーズ』の始まりザウスの名前を知らしめた作品 ザウス作品リンク 概要 あらすじ キャラクター システム 評価点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 2003年にザウスが打ち出した本格的SLG。 ザウスは一般的にブランド名の後ろに「純米(純愛系作品)」「醸造(陵辱系がメインの作品)」など、酒類の名前を模したチーム分けでそれぞれ異なる作風の作品を出すブランドだった。 その中でも、「本醸造」は高いゲーム性を持った作品を出すチームとして活動していた。 本作は、そのザウスの名前が大きく知られる一作となる本格的な異世界召喚SLG作品。 この作品を発端として『永遠神剣シリーズ』が作られていくことになる。 あらすじ 主人公である少年「高嶺悠人」と義妹「高嶺佳織」 そして二人の親友「岬今日子」「碧光陰」達は 突然異界ファンタズマゴリアに召還されてしまう。 中世のような、その世界では戦争の嵐が吹き荒れていた。 すべてが有限であるがゆえに 奪い合うことしかできない世界… 悠人はラキオスという小国の戦士として永遠神剣「求め」を手渡される。 絶対的な力をもつ永遠神剣は、異界からの訪問者と、 その世界にすむ奴隷戦闘種族「スピリット」にしか扱うことができない。 悠人は佳織を人質にとられ、ラキオス王国の為 スピリットを率いて望まぬ闘いを強いられる。 ラキオス王国のスピリット…アセリア・エスペリア・オルファリルとともに…。 しかし、今日子たちもまた、他の国で永遠神剣を与えられていた。 悠人たちはそれぞれの守るべきもののため、お互いに戦う道を歩む。 魔剣と、権力者たちの思惑に翻弄される悠人とスピリットたち。 そして悠人は佳織とともに元の世界に戻ることができるのか? (公式サイトより抜粋) キャラクター 主人公と攻略可能なヒロイン + クリックで開閉 高峰 悠人(たかみね ゆうと) 本作品の主人公。立ち絵は無いが、ゲーム上の顔グラフィック、イベントCG、ホームページ等に設定画は存在する。 本来の両親を事故で亡くし、更に義理の両親まで事故死するという不幸体質。本人も「疫病神」などと自虐的に言うが、基本的な部分では普通の男子学生。 その生まれ上、義理の妹である佳織を非常に大事に思っており、このゲームの初期のモチベーションでもある。 ファンタズマゴリアに召喚され、ラキオス国の「エトランジェ」として当初はスピリットと共に危険な戦いに望むことになるが、長い戦いの中で多くの事を知り、やがて大陸を担う戦いに自ら身を投じる事になる。 ゲーム開始時から使用できる貴重なエトランジェの一人であり、能力も非常に高い。常に前線でスピリットたちを率いて戦うことになるだろう。 アセリア・ブルースピリット メインヒロインの1人。ラキオス国の有名なスピリットの一人であり、他国からも『ラキオスの青き牙』と呼ばれる高い戦闘能力を持つ。 非常に無口で感情を表に出すことは少ないが、会話をしたがらないわけでもない。悠人には序盤から無意識に懐く事も多く、初期から比較的友好なスピリットの一人でもある。 戦闘になると躊躇なく相手を殺す冷徹さを持つものの、根は大人しく優しい少女。 突出した魔法防御の高さをはじめとして、初期から強力なキャラクターの一人でもあるため、戦闘では常に中心で戦うことが多いだろう。 エスペリア・グリーンスピリット メインヒロインの1人。メイド服を来たラキオス国のスピリットであり、ラキオスのスピリット隊を代理ながら引き受けていた時期もある優秀なスピリット。 性格はお淑やかで優しく、悠人には真摯に介護を行いファンタズマゴリアの言語を教えるなど最初から最後まで生活面で頼りになる少女。 暗い過去を持ち、スピリットが人間に対して絶対的な服従者である事の証左となる子でもある。 アセリア同様に高い戦闘力を持つキャラなので序盤から前線で常に戦う事になるが、如何せん魔法攻撃に対する耐性が低すぎるため油断しているとレッドスピリットなどにすぐ焼却されてしまう。 オルファリル・レッドスピリット メインヒロインの1人。非常に幼い外見を持つラキオス国のスピリット。 悠人を「パパ」と慕い、無邪気な態度と高い好奇心で、スピリットという迫害される立場にもかかわらず非常に明るく多くの人と仲良くなる。 その反面、倫理観にかけている所が多く、敵スピリットを追い詰めて惨殺する行為などにまるで嫌悪感を抱かない。本人は戦争で勝つためだと教えられていた為、この感性は後半まで治ることはない。 アセリア・エスペリアと共に序盤からずっと一緒にいるキャラクターながら、一人だけ非常に貧弱で使いづらい。ただしレベルを上げていくと防御力の低さ以外は大分改善される。なおエターナル化すると最大レベルでHP10万を超えるHPお化けになる。 ウルカ・ブラックスピリット メインヒロインの1人。最初はサーギオス帝国のスピリットとして悠人達と敵対するが、途中のシナリオから仲間になる。 寡黙な武人として知られており、当初は必要以上に喋ることはなかった。味方になってからは悠人達と共に暮らすようになり、若干天然な部分が見え隠れする。 メインヒロイン達の中では常識人よりの部分が多いため、エスペリアと並んで戦略パートに絡む場合が多い。 戦力としては仲間になった当初は頼りになるが、後半になればなるほどブラックスピリット特有の脆さが見え隠れする。それでも全体のユニットの中では中堅以上。 レスティーナ・ダイ・ラキオス メインヒロインの1人。ラキオス国の王女でありながら、当初から悠人に好意的な視線を向ける一人。 父王のやり方をよく思っておらず、表向きは父に従いながらもスピリットやエトランジェに友好的な態度を見せ、父王亡き後は恒久平和を目標とし悠人と協力しながら敵国の統一を目指していく。 時折城から抜け出して一般の女性として行動することがある。味覚音痴で、料理が下手。 非戦闘要員のため戦力は不明。外交の際は悠人を護衛として付けている。 岬 今日子(みさき きょうこ) 追加メインヒロインの1人。初期版では味方にはなるもののヒロインではない。光陰の恋人。 悠人と共にファンタズマゴリアに飛ばされた際、光陰と一緒になりマロリデン公国のエトランジェとして目覚める。その際に神剣に魂を飲まれてしまい、半ば洗脳状態で戦場に立つことになる。 根は優しいが、悠人と光陰にはそこそこ厳しい。三人のツッコミ役でありムードメーカーでもある。 2周目以降、特定の条件で仲間になり、その際の戦力はそこそこ高め、といった感じ。サブスピリットよりは頼りになるものの、全体を一任できるほどではない。とはいえ、十分に強力。 倉橋 時深(くらはし ときみ) 追加メインヒロインの1人。初期版では味方にはなるもののヒロインではない。 外見のお淑やかな巫女然とした佇まいで物語の根幹にも関わる存在だが、その根底は我儘なお嬢様。とはいえ状況に応じて自分をきちんと分ける事が出来るため、空気の読まないようなことはしない。 + シナリオのネタバレになるため格納 時深は「エターナル」と呼ばれる永遠神剣使いの中でも上位に位置する存在で、その正体は何千年も前から神剣同士の戦いに身を投じた、時間を操る倉橋の一族の末裔。 悠人がエターナルに覚醒する未来を知りその生まれを待つことを選択するが、かなりの欲望混じりであったため出会った際にとんでもない言いがかりをつけられることになる。 至って真面目な気持ちからエターナルになったが、悠人に惚れてそれを待ったのも事実であり純粋であるかどうかは中々判断が分かれる所。とはいえ、本人なりに「千年間恋愛経験なし」はかなり気にしているらしい。ルートに進めなかった場合でも彼女との本番シーンは存在するなど、案外優遇されている。 サブキャラクター + クリックで開閉 高嶺佳織(たかみね かおり) 悠人の義理の妹。悠人の二人目の両親の娘であり、二度目の事故の生還者。両親が亡くなってからは悠人と二人で暮らしてきたため、悠人に対して兄弟の情愛以上の好意のようなものを抱いている。 ファンタズマゴリアに飛ばされてからは悠人が戦うための人質として保護される。その後、中盤に入る頃で一度悠人の元に戻るも、サーギオス帝国のスピリットに誘拐されてしまう。 最後は戦場に悠人を残し、元の世界に戻っていく(*1)。 EXPANSION版以降、あるヒロインのルートに入ると戦闘要員として加入する。神剣は砕けた欠片しか持っていないがエトランジェのオーラフォトンを所持するので戦うことが出来るとか。そして帽子がまるで生き物のように動いて攻撃する。どういうことなの… 碧 光陰(みどり こういん) 悠人の親友であり、今日子の恋人。悠人の育ちを理解し、彼を妹の佳織も含め大事にしている。 ファンタズマゴリアに飛ばされた後は今日子と共にマロリガン公国のエトランジェとして活動。神剣『因果』に殆ど精神を呑まれない強靭な精神力を持ち、中盤で悠人の敵として立ち塞がることになる。 実際のゲーム中での戦闘力も非常に高く、若干クセはあるが使いやすい。仲間になるのは2周目の中盤以降だが、悠人に並ぶ前線要員、特にディフェンダーとして最後まで活躍できる実力者。 ロリコン。そしてベジータでもある 秋月 瞬(あきづき しゅん) 悠人を一方的に敵視する怪しい雰囲気の美少年。嘗て気をかけて貰ったことを理由に佳織に固執する。 立ち絵の顔からして既にヤバイ。 ファンタズマゴリアに飛ばされた後、サーギオス帝国のエトランジェとして国を支配し、世界の統一を目指し始める。神剣『誓い』は、悠人の持つ『求め』と相反する剣であり互いに宿命付けられた戦いに身を投じる。 最初の方こそ正気を保っているようだったが、力任せに佳織を奪い取って以降、徐々に『誓い』に精神を呑まれていく姿を見せる。そして最後には… 夏 小鳥(なつ ことり) 佳織の同級生であり、悠人達からは後輩に当たる人物。 物語に大きくは関わらないが、悠人に好意を抱く。あるヒロインの攻略シーンでは陵辱シーンが見られる。 ヨーティア・リカリオン ファンタズマゴリア世界でのエーテル技術の立役者。自他ともに認める「天才」であり、中盤以降は彼女の協力のもとに多くの技術を使い世界を変えていく。 ズボラなところがあり、身の回りの世話はイオ・ホワイトスピリットに全て任せている。 研究者としてもゲーム中で使用することが可能で、その際は建造物を驚異的な速さで建築してくれる。また、ゲーム中でEJクライアント施設を建設可能な唯一の研究者。 イオ・ホワイトスピリット 世界的にも希少な「ホワイトスピリット」というスピリット。ゲーム中には彼女しか存在しないため、他のホワイトスピリットの姿を確認することは出来ない(*2)。 お淑やかではあるが主人にははっきりと物申す性格で、彼女の存在のお陰でヨーティアは比較的人間らしい生活を出来ている。 訓練士・研究者としてもゲーム中で使用可能。後半まで戦える高いレベルまで鍛え上げてくれる上に必ず加入してくれるので、中盤は彼女の訓練にお世話になる。 PS2版以降ではあるヒロインのルート時にのみ使用可能。ディフェンススキルを持たないなどピーキーな性能を持つが、使いこなせば強力なユニット。 サブスピリット(性格設定はEXPANSION版以降のもの) + クリックで開閉 ネリー・ブルースピリット いつもシアーと二人一組で行動している少女型のスピリット。活発な女の子だが、本人曰く「くーる」を目指して頑張っている。 行動回数が多く、育て上げた時の瞬間火力は最も高い。更に全てのブルースピリットの中で一番早くアイスバニッシャーのレベルが上っていく。一方でガス欠になりやすく、アイスバニッシャー以外のスキルは使いづらい。 シアー・ブルースピリット いつもネリーと二人一組で行動している少女型のスピリット。大人しめな性格で、余り表に出て意見を出さない。 ブルースピリットの中でも破壊力に乏しいタイプ。しかしアタックスキルは特定の役割を狙い撃って攻撃が可能で、ディフェンダーに邪魔されることなく敵のアタッカーやサポーターを優先的に撃破できる、痒い所に手が届くタイプのユニット。アイスバニッシャーのレベル上昇が遅いのが難点。 セリア・ブルースピリット 大人の女性型のスピリット。冷静な性格で、序盤は悠人に心を開かないが、少しずつ悠人の行動を目の当たりにして心を開いていく。 アセリアと同じ訓練場生まれで、その事に対して若干トラウマを抱えている。 万能型で、アセリアよりも火力は若干劣るものの耐久面では優秀。攻撃回数は少ないが、一発の威力はスピリットの中でも随一である。 ヒミカ・レッドスピリット 大人の女性型スピリット。短髪で、一般常識に長けている。他のスピリットをまとめる能力があり、エスペリアに次いで隊を率いている姿が見られる。 レッドスピリットでありながら前線に立てる戦力。アタック、ディフェンス共にそれなりに優秀なスキルが揃っているため序盤から中盤にかけて重宝する。一方でサポートスキルはそこまで目立たない。 ナナルゥ・レッドスピリット 髪の長い女性型スピリット。とらえどころのない性格をしており、何を考えているのかは解らないが根は素直。 悠人に対しても比較的早い段階から懐くが、余りそういう風には見えない事も多い。 物理火力・防御力共にオルファリルを下回るほど貧弱だが、レベルを上げると強力な全体攻撃サポートスキルを覚え、敵を一掃してくれる。一周目では中々気づきづらいが、高レベル帯の攻略や早解きをする際は必須となるキャラ。 ハリオン・グリーンスピリット 長い髪を両側で結んだ女性型スピリット。間延びした口調とゆるい雰囲気で、空気を和ませる。 また、彼女だけ後述の「陵辱」をされても何故か普通に会話が出来る。 HPは抜きん出て高いものの、防御力はそこまで高くはない。とはいえグリーンスピリットの中では、という程度のものであり壁役としては十分活躍する。サポートの回復能力が高く、こちらがメインになることも多い。 ニムントール・グリーンスピリット ツインテールの少女型のスピリット。気難しく中々心を開かないが、ファーレーンにだけは心を開く。 このゲームに比較的多いツンデレの中でもかなり度数の高めのツンデレ。序盤から後半にかけて心を開いていく姿に多くのプレイヤーがやられた。 高い防御力を持つが、HPが若干低めで序盤は防戦には向いていない。ある程度レベルを上げると攻防ともに優れた実力を発揮する。また、その戦闘中で死亡したユニットを復活させる『リヴァイブ』を覚える貴重なユニット。 ファーレーン・ブラックスピリット 普段は仮面で顔を隠した女性型スピリット。仮面の奥は凛々しい顔立ちと碧色の髪を持つ。 ニムントールを妹のように可愛がり、平和な世の中のために尽力する。 後述するが、戦力としては序盤以外は使いにくい。火力・防御力共に味方スピリットの中でもかなり低いほうなので、後半はラキオスで待機することが多いだろう。サポートスキルによるデバフがメイン。 ヘリオン・ブラックスピリット ツインテールを持つ黒髪の少女型スピリット。大人しそうな外見で、中身も相応のポンコツ。 初めて出会ったエトランジェである悠人に恋心を抱き、悠人の為にと最初から最後まで尽力する。 戦闘能力はブラックスピリットの例に違わず低いものの、サポートスキルの特殊性は全スピリットの中でも随一。上手く使いこなせばエトランジェ以上の戦力になるポテンシャルを持っている。 システム 主人公である「高峰悠人」となり、普段は仲間でありヒロインでもあるスピリット達と交流を深めながら、自国に攻め入る敵国のスピリットたちを倒し、敵の国の拠点を落としていく戦略SLG。 メインとなるのは戦略SLG部分であり、自国の拠点に戦争に必要な軍事施設を立てたり、スピリットたちの訓練をするなど多くの選択肢の中から有用な物を見つけ、敵国を攻略していく。 戦略パートは敵味方問わず、3ユニット1部隊が基本となる。 それぞれ「アタッカー」「ディフェンダー」「サポーター」という3種類どれかの「役割(ロール)」に振り分けて、同じ部隊に同じ「役割(ロール)」を複数置くことは出来ない。 例えばアタッカーが得意なユニットを2名同時に編制しても、片方しかアタッカーにすることは出来ず、もう一人は必ずディフェンダーやサポーターにしなければならない。これによって一方的に攻めることが出来ないが、敵も同様に強引な攻め込みは出来ない為、どのユニットをどの役割に配置するかで大きく戦況を変えられる。 戦闘に入るとそのユニットにおけるキャラクターは、役割を与えられたスキルを使用できる。アタッカーに役割を振られたキャラクターはアタックスキルのみを使用し、他のスキルはその戦闘中は使用できない。 「アタッカー」はアタックスキルを使用して攻撃を行う役割を担う。スキルによって定められていない限り敵のディフェンダーを必ず狙い、防御役を減らして敵の戦力を低下させるのが主な仕事である。 属性攻撃という特殊なアタックスキルがあり、物理ダメージに加えて同じ威力の属性ダメージを加算した合計ダメージを与えるような計算になっているため、補正がなければ単純に数値の2倍になり、弱そうに見えても場合によっては他の高威力なスキルより大ダメージを与えられる仕様になっている。ただしディフェンダーが健在だと抵抗力で属性ダメージの部分も軽減されてしまう。 「ディフェンダー」はディフェンススキルを使用して敵のアタッカーの攻撃を防ぐ役割を担う。スキル回数がある限りダメージを減少させ、他の役割への攻撃をさせないのが主な仕事である。 「サポーター」はサポートスキルを使用する。サポートスキルの内容はスピリットによって様々であり、敵全体を攻撃する魔法や回復、戦闘中に効果のあるバフ・デバフを使う。非常に強力なスキルが揃っているが、一部を除きブルースピリットの『アイスバニッシャー』で封じられるリスクを持つ。 レッドスピリットが使う攻撃魔法は、攻撃力を2乗する計算式になっているため火力が高いとダメージが跳ね上がる仕様になっている。基本的にはアタックvsディフェンスの後に回ってくるディバインマジックタイミングにて使用されるが、アタックタイミングより前にあるサポートタイミングで発動して先制攻撃できる攻撃魔法もある。 グリーンスピリットが使う回復魔法は、戦闘終了直前のエンドサポートタイミングで発動する。 シナリオの最終盤では「エターナル」と呼ばれる強力なユニットが使用できる。エターナルは普通に他のキャラと組むこともできるが「オールラウンダー」という1人だけの部隊を組むことが可能で、これは一人で3つ全ての役をこなすことが出来るという特殊な部隊である。エターナル自体が攻撃・耐久共に優れているため一人でどんな仕事でもこなせる。 しかし、その分スキルを多く消費しやすいため前線で進ませるとすぐに枯渇する。基本的には切り札的な運用、或いはスキルを回復しやすい拠点での防衛戦を中心として行動するべきである。 全てのユニットはアタッカー・ディフェンダー・サポーターの役割に応じたスキルをそれぞれ3つ、最大で9つのスキルを所持できる。 それぞれのスキルは「最大回数/残り回数/行動回数」が存在する。1回の戦闘の中では基本的に行動回数に応じた回数、スキルを使用して攻撃や防御を行う。 例えば「8/6/2」という表記になっているスキルは「最大で8回使用でき、現時点では残り6回使用できる。戦闘中では2回発動する」という形になる。 戦闘をしてスキルを使用していく毎に残り回数が減っていき、残り回数が0になるとそのキャラクターはそのスキルを使用できなくなる。アタッカーに置いていても攻撃を行えないため、無力と化してしまう。 ディフェンダーのスキルは戦闘中に攻撃をされる毎に減っていき、戦闘中にディフェンダーの行動回数をアタッカーの行動回数が上回った場合、ディフェンススキルが発動せずダメージを減少せず通す事になってしまう。この為、ディフェンススキルは性能だけでなく行動回数が敵のアタックスキルの行動回数に足りているかにも注意を払わなければならない。 余裕がある敵部隊相手には、緑スピリット以外をディフェンダーにする、青スピリット以外をアタッカーにする、赤スピリットをサポーター以外にする、といった部隊内のロールの入れ替えでスキルの残り回数を節約していくことも時には必要。 なお、拠点上に滞在していると自ターンの開始時に残り回数は最大回数まで回復する。この仕様は敵味方共通しているため、拠点を奪取する際は相手のスキルを回復させないように総力戦になることが多い。 スキルはレベルアップ時に新しく取得することがあり、上限である3つを上回る時は前のスキルを消去して新しく取得しなければならない。スキル自体の性能は上がっていても行動回数・使用回数が少ない場合などもあり、どのスキルを残すかなど考える必要がある。 更にスキルの中には「限定スキル」と呼ばれるものが存在する。複数同時に取得する事は出来ない代わりに高い能力を保持し、そのキャラクターにとって切り札となりえるものが多い。ただし、特性上扱いづらいものも存在するため覚えないのも選択肢の一つ。 限定スキルは限定スキルでのみ上書きが可能。その為、基本的には他のスキルの上書きを気にせずにアップデートすることが可能である。 ただし、これによる難点も存在する。詳しくは問題点の項で。 + タイミングと行動回数の詳細 戦闘開始時 攻撃側スタートサポートタイミング→迎撃側スタートサポートタイミング 最も早く発動する「サポーター」のスキルのタイミング。 攻撃側のターン(1回目) 1.攻撃側アタックサポートタイミング(1回目)→迎撃側アタックサポートタイミング(1回目) 攻撃の前に発動できる「サポーター」のスキルのタイミングその1。 2.攻撃側ディフェンスサポートタイミング(1回目)→迎撃側ディフェンスサポートタイミング(1回目) 攻撃の前に発動できる「サポーター」のスキルのタイミングその2。 3.攻撃側アタックタイミング(1回目)→迎撃側ディフェンスタイミング(1回目) 攻撃側の「アタッカー」のアタックスキルを、迎撃側の「ディフェンダー」がディフェンススキルで軽減しながら受け止める。相手の「ディフェンダー」が居ても「アタッカー」を狙うアタックスキルや「サポーター」を狙うアタックスキルもある。 4.攻撃側ディバインマジックタイミング(1回目) 攻撃側「アタッカー」の攻撃後に発動する、攻撃側「サポーター」のスキルの一般的な発動タイミング。発動は遅いが、敵の抵抗力を下げるアタックスキルを当てた後に魔法攻撃するような運用が可能。 迎撃側のターン(1回目) 1.迎撃側アタックサポートタイミング(2回目)→攻撃側アタックサポートタイミング(2回目) スタートサポートスキルと違ってアタックサポートスキルやディフェンスサポートスキルは迎撃側のアタッカーの行動前にも双方のタイミングがあるので行動回数2あるスキルなら再び発動する。攻撃側のアタックサポートの全体攻撃魔法2回で迎撃側のアタッカーに一切攻撃させずに倒してしまうような運用も可能。 2.迎撃側ディフェンスサポートタイミング(2回目)→攻撃側ディフェンスサポートタイミング(2回目) 3.迎撃側アタックタイミング(1回目)→攻撃側ディフェンスタイミング(1回目) 迎撃側の「アタッカー」のアタックスキルを、攻撃側の「ディフェンダー」がディフェンススキルで軽減しながら受け止める。 4.迎撃側ディバインマジックタイミング(1回目) 迎撃側「アタッカー」の攻撃後に発動する、迎撃側「サポーター」のスキルの一般的な発動タイミング。 攻撃側のターン(2回目) 迎撃側のターン(2回目) サポーターのスキルが行動回数2のアタックサポートやディフェンスサポートの場合、既に2回行動し終わっているので以降は発動しない。 ディフェンダーのディフェンススキルが行動回数1の場合、2回目以降のアタックスキルには無防備。 攻撃側のターン(3回目) 迎撃側のターン(3回目) ディフェンダーのディフェンススキルが行動回数2の場合、3回目以降のアタックスキルには無防備。 攻撃側のターン(4回目) 迎撃側のターン(4回目) ディフェンダーのディフェンススキルが行動回数3の場合、4回目以降のアタックスキルには無防備。 攻撃側のターン(5回目) 迎撃側のターン(5回目) 行動回数が5回もあるアタックスキルを覚えるキャラが極僅かに存在している。 行動回数が無駄に16回もあるディフェンススキルを持っているキャラも存在している。 戦闘終了時 攻撃側エンドサポートタイミング、迎撃側エンドサポートタイミング 戦闘終了時に発動する「サポーター」の回復スキル。敵を全滅させた場合でも発動する。 割り込み インタラプトタイミング ブルースピリットを「サポーター」として配置した場合に使えるスキル「アイスバニッシャー」の発動タイミング。敵サポーターがスキルを使う瞬間に割り込んでタイミングが発生、発動をバニッシュ(妨害)しながら敵サポーターにダメージを与える。「アンチブルー」の特性を持つスキルに対しては発動できない。 命中・回避・クリティカルなどといった確率によるランダム要素は一切存在しない。 拠点には建造物を建て、それによって戦いを有利にすすめることが可能。 「エーテルコンバータ」を建てると1ターンで多くのマナをエーテルに変換できる。 基本的に国力は全て「マナ」と「エーテル」で処理し、「マナ」を「エーテルコンバータ」を建てて「エーテル」にしないと使用することが出来ない。また、エーテルはマナに戻ることはなく、マナはスピリットを撃破したり敵拠点を制圧することで手に入れることが出来る。 このマナとエーテルの存在がシナリオでも大きな意味を為し、敵国に攻め入らなければ自国のマナを奪われる、奪わなければ自国が豊かにならない、という戦争の理由をもたらしている。 「訓練所」を建てることで、その拠点にいるユニットをレベルアップさせることが出来る。戦闘でのレベルアップは出来ないため、道中の訓練はほぼ必須。レベルアップによってスキルを覚えることが出来る。 「研究所」を建てると他の施設の建設時間を大幅に減らす事が出来る。シナリオ開始時は何もない拠点に多数の敵が攻め込んでくることが多く、即時の「塔」の建設などのために序盤の内に高いレベルにしておきたい。 「塔」は建てることでその拠点で防衛戦を行う時に部隊の能力を上昇させる。これにより、基本的には防衛戦のほうが有利な戦いを出来る。 もちろん守ってばかりでは戦況は進まないし、敵が守っている拠点にも『塔』が存在することがある。こうした場合は攻め落とすのに総力戦になる場合が多い。 「EJ(エーテルジャンプ)クライアント」は、簡単に言えばワープ装置である。ラキオス本国にのみ存在する『EJサーバ』に1ターンで移動できる。これを利用してEJクライアントを離れた拠点に建てて、2ターンかけて遠距離移動が可能。 中盤でヨーティアが建築士として加入して以降、建てることが出来、更にヨーティアにしか建てることの出来ない建造物である為、よく考えて建設する必要がある。 「蒼の水玉」「炎の祭壇」「常緑の緑」「月の祭壇」は、それぞれその拠点で戦う青・赤・緑・黒スピリットに能力上昇の補正をかける。敵味方問わずにかかるため、攻め込む際には相性のいいスピリットを踏み込ませるなどすると攻め込みやすくなる。 戦闘で戦うのは基本的に両軍の「スピリット」であるが、主人公である悠人など異世界からやってきた神剣使いも「エトランジェ」としてユニットに組み込まれている。基本的にエトランジェはスピリットよりも能力が高く、多くの事をこなせるために戦略の要となる。 また、全てのユニットは戦闘で敗北すると死亡扱いとなり二度と復活しない。主人公とメインヒロインに至っては、死亡した時点でゲームオーバーである。 シナリオの中盤で仲間が増える可能性があるが、その仲間もシナリオに大きく関わるキャラであれば死亡時点でゲームオーバーになる。こうしたユニットは強力なユニットが多いので無理な突撃をさせない限りは戦闘中でやられることはないが、油断は禁物。 サブスピリット達は死亡してもシナリオには絡まないので問題ないが、戦力の低下は後半になればなるほど如実に現れてくる。可能な限り最後まで彼女たちを活かすような立ち回りも必須。 + スピリット・エトランジェの特色 ブルースピリット(アセリア・セリア・ネリー・シアー) 戦闘力が高く、スピリットの中でも随一の攻撃力を持つ。主な仕事は敵のディフェンダーを撃破し、戦況を前に進めること。 防御力はそこまで高くはないが、低いと言うほどでもない。ただしHPは多くないので過信は禁物。敵のブルースピリット相手には避けたほうが良い。 また、「アイスバニッシャー」と呼ばれる特殊なサポートを持つ。これは一定のレベル以下の相手のサポートスキルを封じることが出来る貴重な能力であり、レッドスピリット相手の重要な兵器となる。 ただし、ブラックスピリットやエトランジェなど一部のサポートスキルはレベル条件を満たしていても封じることは出来ない。 グリーンスピリット(エスペリア・ハリオン・ニムントール) 高い防御力とHPを持つ、防戦型のスピリット。物理防御に関してはエトランジェをも上回ることがある。 一方、魔法攻撃に対して余り耐性がない。レッドスピリットのサポートスキルに一撃でやられる事も珍しくはない。特にメインヒロインのエスペリアは物理防御の高さに対して魔法を食らうとよく燃える。しかもエスペリアは上位クラスになるほど魔法防御が低下するというおまけつき。 サポートスキルは回復や能力上昇系がメインになる。拠点での防戦には複数のグリーンスピリット、或いはエトランジェとの組み合わせで持久戦が可能。 攻撃技になるサポートスキルも存在し、これを所持したグリーンスピリットが敵に出てくるとかなり厄介。此方はブルースピリットの「アイスバニッシャー」で封印できない為、SUPER HARDなどでは敵の編成をよく見ていなかったり、「ブラックスピリットがいないから大丈夫だろう」などとタカをくくっていると、エスペリアあたりがグリーンスピリットの魔法攻撃一発で葬られることも…。 レッドスピリット(オルファリル・ヒミカ・ナナルゥ) 強力な攻撃サポートスキルを持ち、相手のディフェンススキルを無視した高い攻撃力を発揮できる。 反面、防御・HP共に非常に貧弱。高レベルならともかく、序盤でディフェンダーに用いるのは自殺行為。 また、サポートスキルは敵のブルースピリットに「アイスバニッシャー」で封じられる事も。状況を良く見て使わないと持ち腐れになることが多いが、使いこなす事ができれば非常に強力。 ブラックスピリット(ウルカ・ヘリオン・ファーレーン) 火力は高くないが、攻撃回数の多いスキルを持つ。その為、相手のディフェンススキルの回数を減らして攻撃を行うことが出来る。 防御にはカウンター効果がついており、与えられたダメージの一部を相手に返す。防御力そのものはそこまで高くはないが、HPは低くはないので耐えることは可能。流石にブルースピリット相手には分が悪いが。 サポートスキルはデバフ、バフに加えて特定の相手を攻撃する事が可能。しかもアイスバニッシャーで封じられることがないので、ブルースピリットのサポートを実質的に無効化出来る。 とにかく癖の強いユニットだが、独特のサポートスキルを上手く使いこなせれば立派な戦力になる。 エトランジェ(悠人 他) 全体的に高い能力と、優秀なスキルを持つ。序盤から終盤にかけて戦力の要。 HPも十分に高いため、普通に育てるだけでスピリット数人分の働きをする。ただし頼り過ぎは禁物。 サポートスキルは『オーラ』と呼ばれる特殊なものを使い、味方全体に強力なバフをかける。更にHPを回復することが出来るため、あらゆる状況で仕事ができる。 エターナル 終盤で使用可能になるユニット。 エトランジェ以上の能力、スキルを持ち、更に一人で三人分の役割を担う「オールラウンダー」として行動ができるようになる。勿論今まで通り他のユニットと一緒に組み込んで活動させることも可能。 特別な効果を持つサポートスキルを持つことが多く、状況をひっくり返す手段にもなり得る。まさに戦争の切り札となる存在。 評価点 アダルトゲームでありながら本格的で歯ごたえのある戦略SLG スキルの構成、敵ユニットの情報、味方の能力などを全て把握して進めないと高ランクを取ることの難しい非常にバランスの取れたシミュレーションパートは当時から評価が高い。 相手のスピリットに合わせて部隊を編制し、一気呵成に攻める。或いは敵の攻撃に対して攻め込まれる想定をし、高い防戦能力を備えた部隊を作るなどして防戦を行う。こうした状況に応じた戦いを常に要求され、気の休まる暇のない「戦争」である事をシステムで表している。 ファンタジー的な世界観でありながらも基本的には歩兵同士のぶつかり合いがメインであり、一歩一歩着実に敵軍に迫る興奮、或いは迫られる際の脅威に怯えるなど、システムに没頭できる作品に仕上がっている。 また、2周目からはHARDモードを選択可能になる。HARDモードでは難易度の上昇に伴い、スピリットたちのレベルキャップが解放されて今までより強い育成が可能になる。今までとは違ったユニットの運用などを活かさないと上手く攻略することは出来ない。 さらにHARDモードをクリアすることでSUPER HARDモードに突入可能。ほぼテストプレイをしていない実質未調整難易度であるが、当時からクリア者を多数出しスタッフを驚かせたという。 なお、最大レベルである99レベルにするにはSUPER HARDモードに行かなくてはならない。主人公のカットインが入るスキルはここまでプレイした人へのご褒美要素と言ってもいいだろう。 魅力的なキャラクター達 メインヒロインであるアセリア達の他、サブキャラクターであるスピリットにもそれぞれ名前と特性が存在し、覚えるスキルなども特色があり使っていく内に愛着が湧く。 さらにメインヒロイン達はそれぞれ王道の物語を繰り広げながら、戦争という中で悠人と様々な交流を繰り返し、異世界からやってきた悠人に対して心を開いていく。 特に異世界にやってきたエトランジェとしての戦力を期待されている悠人は、この妹を人質に取られ脅迫的に戦わなければならない最中でも可能な限り平和への道を模索し、味方のスピリットを無造作に犠牲にしないこの世界の一般的な人間とは違う態度が徐々にヒロインたちの態度を軟化させていく。 最終局面では好感度の最も高いヒロインと、二人きりの孤独な戦いを迫られる展開が待っている。それでも世界と家族、友達のために自分を犠牲とし愛する人との旅路へと向かう主人公、悠人の好感度もかなり高い。 PS2版で行われた人気投票では攻略可能なヒロインの一部を抑えて7位にランクイン。投票数は1位と2位に極端に集中する形にはなっているものの(3位からクアドラプルスコア、つまり上位2人に対しいきなり4倍以上の落差である…)、得票率だけを見れば6位のオルファリルと大差ない票数を得られているため比較的高い評価を得られていると言える。 異世界の戦争を描いた重厚なシナリオと完成された世界観 異世界に飛ばされた主人公の悠人は、当初は何もわからないままただ妹の無事の為に剣を振るう。言語も解らない中、自国のスピリットたちが当然のように敵のスピリットを殺す姿を為す術なく見るしか出来ない。 しかし、シナリオが進むにつれてスピリットの迫害、奪い合わなければいけない世界、滅び行く敵国、敵スピリットなどを見ながら悠人とスピリットたちは少しずつこの世界を変えていこうと尽力し始める。 当初は実質的な悪だった自国も中盤以降は完全に悠人に味方をする事になり、戦争という過酷な中で少しずつ味方を増やしてファンタズマゴリア全土の統一を目指していく。 生きるか死ぬかの瀬戸際に常に立たされながらそれでも平和を探り、少しずつ道を切り開いていく物語は王道ながらかなり熱く、最後まで楽しめる。 また、世界観も非常によく練られており、細かい粗は存在するものの極端に破綻している部分はない。異世界にしか存在しない文化、常識に対して様々な視点からアプローチされている要素が多く、ハイファンタジーの世界観としてのめり込みやすく作られている。 だからこそ、序盤の後半部から現れてくる「この世界でも違和感のあるもの」に対して疑問を持つ展開につながっていく。世界観に愛着を持ったところでこうした違和感を小出しにし、後半で一気に回収していくことでより愛着を持って後半のシナリオに臨むことができる。 専門用語は多い方だが、その中でも特別強烈なのが作中で使用される「聖ヨト語」である。 この「聖ヨト語」は、悠人が序盤ファンタズマゴリアに飛ばされてから少しの間文章上でも発音上でも使用されるものであり、プレイヤーは文章の内容が理解できないまま先に進むことになる。 もちろん、これは悠人とプレイヤーの気持ちのシンクロに必要なもので、悠人が全く解らないながら少しでも理解しようとする、という動作がプレイヤーにも重なっていく。ただ、途中まで話の内容が理解できない為ストレスは溜まりやすい。 序盤を過ぎれば悠人が「聖ヨト語」をマスターするため、それに伴って文章と音声も全て日本語に戻る。そこまでの辛抱といえば辛抱なのだが、作品世界にのめり込めないと辛い。 また、この「聖ヨト語」は完全に日本語訳が可能な言語として制作されており、設定資料集には「聖ヨト語辞典」なるものまで存在する。ゲーム中の文章もちゃんと翻訳できるという凝った作り。 二周目になると序盤の「聖ヨト語」の部分は日本語に翻訳され、3周目になるとどちらの言語化を選択する事も出来る。どれほどまでにこの言語に力を入れているかが解るだろう。 ただし、あくまで言語の選択は最序盤まで。物語の全部を「聖ヨト語」には出来ないので、フリークの方には若干残念な仕様。 欲望との間で揺れる主人公の葛藤 主人公悠人が持つ神剣、「求め」はシナリオの序盤に手に入れて以降、悠人の剣である立場以上に悠人本人を精神的に支配してこようとする。この時に支配に屈してしまうとヒロインたちの陵辱シーンに突入する。 この作品での数少ない本番シーンであり、「求め」に屈するかどうかで全体のHシーンの割合は相当変わる。積極的に屈していくことでサブスピリット達とも交わることが出来る。 戦略的なデメリットは少ないものの、陵辱されたスピリットは持っているハイロゥが黒く染まり戦闘中のセリフも無くなるなど、プレイヤーに与える精神的な重圧は結構なもの。最後まで彼女たちと一緒に戦うにせよ、途中で彼女たちが戦死するにせよ後味は悪い。むしろ問題点で挙がっている低マインド用の「フレンジーII」を使えるなどメリットがある。 しかし、「求め」の訴え自体はこの世界観的には一般的である。ロクな戦力になっていない頃の悠人は、使い捨ての妖精たちの精気を奪ってでも力をつけ、生き残らなければならない。神剣は使用者が死ねば次の使い手が現れるまでは誰にも使えなくなるため、「求め」にとっても悠人にとってもスピリットの陵辱はメリットが大きいのだ(*3)。 それでも、人としての倫理を保つために「求め」の訴えに信念を以って対抗する。この異世界においてもあくまで人間として生きるか、魔に落ちてでも生き延びようとするか――その葛藤が、ドラマに一役買う形になっている。 なお、「求め」は精神的に支配しようとするものの悠人に敵対をするつもりはない。その為、悠人が生き延びるために戦い方を聞いたときなどは素直に答えることが多い。こうして魔剣にも神剣にもなり得る剣と共に最後まで戦い抜くのも一つの物語としてよく出来ており、評価が高い。 ただし、「求め」の支配に屈してしまった場合、そのデータでは終盤で強制的にシナリオが終了した上に周回プレイに引き継ぐことができないという重大な欠点がある。 サウンド関連 BGMはアダルトゲームとしては珍しい良質なオーケストラ音源+ドラム+ベースで構成されている。 アダルトゲームのBGMは雰囲気に徹した地味なものやビジュアルノベルのシーンによる高評価を得るものなど極端な傾向があるが、本作では戦闘BGMにおいて特にこの構成が存在感を持っており、ファンタジー世界にマッチした非常に印象深いものになっている。 戦闘BGM自体の曲数も多く、プレイヤーフェーズ時・エネミーフェイズ時・中ボス・イベント戦などでそれぞれ個別に用意されており、他のシーンで使われるBGM群と比べても非常に多彩である。ラスボス戦ではお約束というべきかボーカル入りの熱い演出を完備。戦闘モーション全般における力の入れ具合からも妥協のない熱意が窺える。 一方で平時のBGMは印象に残るものが少なく、またマップBGMは一部遠い場所に駆けずり回る事もあってか飽きやすく、戦闘関連に比べて割を食っている印象もある。 問題点 余りにも長過ぎる序章シーン 序盤は悠人達の学生生活と平々凡々な日常を数日過ごした後、ようやくファンタズマゴリアへと飛ばされるシーンが挿入されるも、その後も暫くはゲーム部分がやってこない。暫くはエスペリアと共に聖ヨト語の勉強を繰り返し、この国がどういう物なのかを説明するシーンが長々と入る。 この序章シーン、まともにセリフを全部聞きながら進めるだけで二時間以上かかる。最初の敵と戦うまで一時間以上というのはかなり厳しく、作品世界に没入できないと中々もどかしい。 没入させる為の展開も若干強引で、序章前半の日常シーンがやや過剰に長いのも相まって飽きやすい。全て飛ばそうとしても5~10分程度かかるほどで、周回プレイ時は特に気にかかる。 ファンタズマゴリアでの生活で世界観を掴めばこの後のシナリオもスムーズに頭に入ってくるだろう。だが、逆に言えばここまでの理解が不十分だとそこからのゲームも楽しみにくい。 陵辱をしないと少ないHシーン 基本的にメインヒロインとの情事は1~2度程度であり、全体的には戦略パートがメインとなるため、「求め」に積極的に飲まれないとHシーンは非常に少なくなる。 「求め」が積極的に悠人を取り込もうとするのは序盤に集中しており、中盤以降はこうしたシーンも少なくなる。そして終盤の個別ルートに入るまではメインヒロインとの情事は少なく、攻略不能なキャラクターとのHシーンがたまに挿入されるぐらい。 魅力的なヒロインだらけながら主人公がそこそこに実直で真面目な男性なのもあって、ラッキースケベ的なイベントはあるのだが本番シーンというと非常に少なく感じてしまう。 ゲームの内容が内容であるため仕方ないが、はっきり言えば「エロゲー」としては期待できない。 ブラックスピリットの扱いの悪さ 戦略パートにおけるブラックスピリットは、行動回数の多さで相手のディフェンススキルを突破してダメージを与え、相手のスキルを削り、ディフェンスでも相手にダメージを与えるなどテクニカルなユニットである。 だが、実態としてはディフェンススキルを削った後の攻撃よりも、ブルースピリットがディフェンススキル有りで本気で殴ったダメージのほうが高い。カウンターのダメージも微々たるもので、ディフェンススキル自体の性能は低いため相手にやられるリスクも高い。 後半になるとブルースピリットはスキルの最大行動回数の少なさ、一度の行動回数の多さから息切れしやすくなり、加えて、ブルースピリットはアイスバニッシャー要員としてアタッカーだけをするわけには行かないため、その際の火力を補うサブアタッカーとしての出番がないことはない。しかし単純な攻撃力だけだとグリーンスピリットの方が高かったりもするので、結局火力不足は否めずメインで使用するのは難しい。 サポートスキルは優秀なのだが、ある程度のレベルになるとレッドスピリットの全体サポートが猛威をふるうためそこでも出番がなくなりがち。アイスバニッシャーされないという特徴はあるものの、それをひっくり返せるほどのメリットは少ない。 SUPER HARDモードまで育成するとウルカとヘリオンは強力な『星火燎原の太刀』を習得できるため、ここまで来ればかなりの戦力にはなる。しかし群を抜いた強さ、というほどでもないためやはりブルースピリットの下位互換程度になりがち。そもそもSUPER HARD自体選ばれたプレイヤーだけのたどり着ける領域である。そこまでのプレイ中で弱い事自体は全く変わらないので、救済にはなっていない。 特にサブスピリットのファーレーンは、育ててもレベルに反して伸びる能力が低くその弱さで後半お荷物になりやすい。序盤でこそ、そこそこの活躍は見せるが、少し育つとすぐに息切れするのが悲しい。使い続けるには愛が必要。 レベル上げの難しさ レベルアップの際は拠点に訓練所を設置し、その場所にユニットを配置しなければならない。この為、レベルアップをするユニットは前線で敵拠点を制圧することが出来ない。順調に拠点でレベルを上げている最中に前線のメンバーが敵拠点を制圧してシナリオを攻略している事もザラ。 更に、訓練士には育てられる上限レベルが存在する為、後半は訓練士が揃っていないと最大レベルまでの育成すら出来ない。特に主戦力となるブルースピリットとエトランジェのレベルを最大にするには一定条件を満たした訓練士「ミュラー・セフィス」の加入が絶対条件になる。加入難易度自体は高くないものの、シナリオ後半のサーギオス帝国との合戦の最中でマップ移動によって見つける必要があり、少ない戦力を厳しい戦況の中で割く余裕を立てないとレベルを上げるのは難しい。 スキル取得の問題点 一般的には後から覚えるスキルが強力である為、レベルアップ時に覚えるスキルは新しいものにアップデートすればよいのだが、スキルがレベルアップ時にしか覚えられない、というのが問題である。 上述したようにスキルはそれぞれの役割ごとに3つしか覚えられず、それ以上のスキルは上書きされる。そして万が一、そのレベルで覚えるスキルを取得させなかった場合、そのスキルはそのデータでは二度と覚えることはできなくなる。 基本的には新しいものにアップデートすれば問題ないが、スキルの性能自体は使ってみないと解らないので、使い勝手が悪かった時に前のスキルを戻すことも出来ない。ブラックスピリットなどは癖のあるサポートを多く覚えるため、特に難点になりやすい。ここでも不遇な点が目立つ。 この問題が特に浮き彫りになるのが終盤、そして周回プレイの時である。 + シナリオ終盤のネタバレを含む 主人公の悠人とメインヒロインの一人は終盤にエトランジェやスピリットを遥かに超えた「エターナル」になる展開が待っているのだが、この際にエターナル専用のスキルを取得する。このスキル自体は非常に強力なため、基本的にはこれらを覚えて進むのが普通である。 しかし、二周目に突入した時にこれらの覚えたスキルは使えなくなる。前回のデータを引き継いで2周目を開始すると、前回のユニットのデータを完全に引き継ぐため、エターナル専用のスキルを覚えたまま通常のスピリット、エトランジェとして物語がスタートするからである。 この為、前回攻略したメインヒロインは実質的にスキル6つ、悠人もアタックスキルが2つしかない状態で序盤を攻略しなければならない。更にメインヒロインはこれ以上レベルアップでスキルを覚えない場合、エターナル専用スキルを消去することも出来ない。 更にメインヒロインはエターナルにならないという展開もあるため、その場合は終盤どころか最終戦まで全ての役割のスキルを使用不可能なままで最終決戦を迎えることになる。こうなると、如何に強いアセリアやエスペリアでもかなりの戦力ダウンを強いられてしまう。 最終的にはやりこんだ周回プレイをすればするほど、ヒロインたちに使用不能なスキルが追加されていき、最終的にメインヒロイン達は強力なスキルを持て余す、という状況が生まる事になる。 これに関しては難易度の段階とそれに伴うレベル上限の解放により、最高難易度になるまでは新スキルの修得で取り返しがつく。つまりプレイヤーで行える対策としては、最高難易度にてゲームを計画的に進め、プレイを終わらせる事ぐらい。 実質的な『詰み』の可能性が存在する + シナリオのネタバレ注意! 中盤、マロリガン公国との戦いで首都を落とす直前に親友である碧光陰との一騎打ちイベントが有る。 この時点でどこまで戦力を進行させていても、このバトルは悠人と光陰の一騎打ちとして進行する。その為、この時点で悠人が光陰に勝てる実力を持っていない場合はその時点でシナリオが進行しなくなる。 戦闘前にロードした場合でも、その時点で悠人をレベルアップさせる分のエーテルを持っていない場合はレベルを上げることも出来ない。こうなってしまうと、マロリガン戦前のデータをロードして、改めてマナの再配分をして悠人のレベルを上げ直すしか方法はない。 システム上、悠人を全く育てずにここまで来るのは初心者には難しいので、レベルを上げずに進むということはまず有り得ないだろうが、ここでの光陰はそれなりに強く設定されており、中途半端にレベルをバラけさせると足りない可能性もある。 この時点で能力的に光陰を越えられるのは大体レベル15~16頃なのだが、悠人はレベル13で「フレンジーII」と呼ばれるアタックスキルを覚える。このフレンジー、弱いスキルではないのだがマインドが30以下でないと使用できないのだ。 マインドはよほど意図的に下げようとしない限り80を下回るのも難しい数字のため、普通に進めてこの時点で中途半端なレベルで辿り着くとアタックスキルが足りずに持久戦の結果の敗北があり得る。一歩手前で覚える「フレンジーI」にはこのような制限がないにもかかわらず、よりによってこのレベルで覚える「フレンジーII」に限ってこの使用制限が存在するため、嫌がらせにも見えなくもない。 ここまでに悠人一人に育成を集中させると最大で24に到達するので、クリアランクを気にしないプレイであれば(時間をかけてレベルアップのリソースを割けるため)問題になりにくい。だがそうでない場合は配分がシビアになり、実質的な詰みが存在するというのはやはり問題と言える。 高い難易度と、理解に時間のかかるシステム 最序盤のチュートリアルを含んだシナリオで最低限の説明はされるが、実践よりも文章での説明が多いため理解は難しい分類に入る。画像付きの説明はされるが、一度に多くの事を説明するという点もあってかちゃんと理解するにはその後の実践で自分で試したりするなど工夫が必要。 スキルの構成や舞台における役割の設定なども1回程度しか説明されず、ステータスの数値がどういう形で関わってくるかに関しても細かい説明はない。 最序盤はユニットも少ないため、かなりの最効率での攻略を求められる。敵部隊は拠点に居座る場合ほとんど動かなくなることが多いため、スキルの行動回数が切れると遠い拠点に戻る必要があるなど、テンポも悪くなりがち。 とはいえ慣れるとサクサク進めるシステムでもあり、難易度が高いのも主に序盤である。後半になってユニットが増え、強化されていけば行くほど楽になっていくだろう。逆に言えばシステムを理解するとさほど歯ごたえのない難易度になる。 特定のヒロイン攻略のために他のメインヒロインキャラの好感度を上げないよう、ユウトの部隊に攻略予定キャラ以外のサブスピリットを入れると、自由に編成するより難度が高い場合はある。 クセがかなり強いキャラグラフィック 立ち絵によく見られるが、頭が大きく顔が小さい割に眼も大きく描かれがちなので若干絵が潰れているような印象を受けやすい。頭蓋骨どうなってんだ。 キャラデザイナーの「人丸」が経験不足だったのか、レスティーナや時深などは比較的整っているものの、アセリアやエスペリアなどの主要なメインヒロインや、ヨーティアなどのサブキャラもこうした形で描かれがちで、さらに立ち絵とイベントCGの乖離が激しいのが問題。同一人物に見えないシーンも多くあるため、突然立ち絵に戻った時の違和感が尋常ではない。 ただ、ちゃんと見れば崩れているわけではないし、よく出来ているものはよく出来ている。慣れれば気にならないレベルのものではあるが、序盤気になってしまうと受け入れがたいところはあるだろう。 ただしそれでも佳織だけはかなり受け入れがたいグラフィックをしている。攻略対象でないためイベントCGでの期待もそこまで高くないため、非難が起きやすい(*4)。 『Kanon』辺りの影響を受けたのか、いたる絵っぽさと上述の問題を引き継いでしまったようなグラフィックになっている。表現の都合上アップになったりもするため嫌悪感を抱く人は多い。その結果付いた蔑称が「キモウト(*5)(*6)」である。立場上仕方がないとはいえ、作中でも矢鱈とお兄ちゃんお兄ちゃんと五月蠅いのも影響しているだろう。 こうした経緯があったためか、以降発売された移植作品では佳織の立ち絵が全て書き直されている。比較的良くなったものの、上述の問題を解消するほどではなかったりする。 尤も日本人は何故か目が大きく縦長なキャラを描く傾向に在る為こうなってしまったのもまあ当然ではある。 設定の粗と誤植 作中の固有名詞などが多い割にはシナリオ的にはかなりまとまっているのだが、細かい設定の部分で多数の矛盾を抱えたり、説明のつかない部分が多い。また、設定部分での誤字や誤植と思われるものが散見され、正しい情報が解らないものがいくつか存在する。 特に今日子の神剣「空虚」は、設定上は五位になっているもののゲーム上では「六位」と記述されていたり、そのゲーム上でも神剣の名前には「六位」とあるにも拘らず、説明文章は「五位」になってたりと作中ですらあやふや。 こうした間違いは多岐にわたるが、少なくとも設定部分をしっかりと見ていないのならそこまで気になるものでもないし、戦闘中に神剣の序列が実際の能力に関わることもない。 不具合・その他 一部スキルに仕様なのかバグなのか不明なものが存在する。 例として挙げると、条件を満たすと途中加入となる碧光陰のアタックスキル「ゲイルVII」の攻撃力100である。1000ではない。直前で覚える「ゲイルVI」が攻撃力720、その次に覚える「ゲイルVIII」が攻撃力1560の属性攻撃(補正なしではダメージ2倍)。 スキルには物理属性・色属性に加え、行動回数などでの差別化が存在するために攻撃力の数字だけで能力を単純比較することは出来ないのだが、かと言ってこの極端過ぎる能力差の設定には違和感を感じる。 そして誤表記や設定の粗などがそこそこ多いゲームのため、こういった数字の差が意図的なものか仕様とは違うものなのか判別しかねることが多い。どちらにしても使い物にならないスキルがそこかしこに存在するので覚える際には気を付ける必要がある。 なお、サブスピリットのナナルゥも似たような攻撃力の違和感を持つが、彼女の場合は「単体攻撃をするサポートスキル」の威力が総じて低く、「全体攻撃をするサポートスキル」の攻撃力は初期から常に高い、など一貫した性能を持っている為恐らくは仕様と思われる。こうしたある程度意図的な差異も、上記がバグか仕様かを不明にしている要因とも言える。 例として挙げた「ゲイルVII」も意図的なものに該当する。抵抗力を低下させる効果が付いており、戦闘画面上では下がったということしか分からないのだが「ゲイルVII」はこの減少量が凄まじく、攻撃サポートスキルと組み合せればかなり強い。 一方で50%と50を間違えたようものも存在する。 また、難易度をあげた場合のプレイにおいて、敵平均LV58のところに一部隊だけLV85が混じっていたり、敵平均LV73のところに一部隊だけLV37が混じっている事も。 総評 ゲームの出来を売りにするエロゲーブランドといえば当時は『エウシュリー』や『ソフトハウスキャラ』などが有名であったが、そこに食い込むようにして名前を連ねる作品となった。 設定の面も含めて全体的に粗が多く練り込みの足りない作品ではあるものの、異世界に召喚された主人公の苦悩とそこで出会った妖精のように美しい少女達との交流、自分と家族、そして国を守る為に敵国を打ち倒さなければならない戦争という舞台で繰り広げられるドラマティックさと、高い歯ごたえのあるSLGが上手く噛み合わさり、上質な作品に仕上がった。 ザウス(本醸造)の名前を知らしめた作品であり、後々に広がる『永遠神剣シリーズ』の礎を作った作品として後々も語り継がれる名作となった事は間違いない。 余談 PS2版「この大地の果てで」の発売後、キャラクター全体での人気投票が行われたが、その結果はなんとサブスピリットであるヘリオンがメインヒロインのアセリアを抑えての1位となる快挙を成し遂げた(*7)(*8)。 他のサブスピリットが軒並み10位以下の中で唯一人彼女だけが突出して人気が出たのは、やはりその健気さと悠人への恋心が評価された部分が多い。実際に、戦闘中にも悠人への気持ちを表すセリフが交じるのは個別ルートに入ったメインヒロインを除けば彼女だけ。どれだけ悠人を信頼し愛しているかが伝わるというもの。 シナリオを普通に進めた場合最初に出会うサブスピリットというのもあってか、愛着が湧く人も多い。ブラックスピリットという不遇な性能を持った彼女であるが、彼女への愛で最後まで一線で活躍させた人は少なくない。 尤も、それを除いてもSUPERHARDモードまで行くと彼女にしか使えないスキルを覚える為、やりこみプレイヤーほど戦力として活用していることが多い。 2005年にOVA版が発売されている。PS2版以降の販売で全年齢。作品の内容を知っている人向けの作品ではあるが、そこそこ人気は高い。 ただし、2巻まで発売されたものの未完。現時点でも3巻以降の制作はされておらず、その間に永遠のアセリア自体の状況も変わってしまったため今後の販売は絶望的。 ちなみに声優が一部変更されており、主人公の高峰悠人の声は櫻井孝宏氏(*9)、岬今日子の声を川上とも子氏が務めている。 + あるメインヒロインのEDのネタバレを含む内容 『聖なるかな -The Spirit of Eternity Sword 2-』には、当作の主人公である高峰悠人とアセリア・ブルースピリットの娘である「ユーフォリア」が登場している。 当作品でもアセリアEDに辿り着くことでユーフォリアの幼い頃の姿を見ることが出来る。 続編となる永遠神剣シリーズでは、彼女を中心とした物語が展開されることが示唆されており、今後の主役ポジションとしての活躍が予想されている。 それだけに『聖なるかな』での登場が余りに雑だったことに不満を感じるファンは多いようだ。 その後の展開 2004年8月13日に『永遠のアセリア EXPANSION』が発売された。 追加ヒロインとして本編でも活躍した岬今日子・倉橋時深を加え、さらにサブスピリットにも固有の顔グラが与えられて、イベントを追加した拡張版となっている。また、時深などは立ち絵が描きなおされている。 単品で遊ぶことも可能であり、基本的にはアセリア本編のうちの2人の追加ルートをメインとしたファンディスクと言った扱い。元々2004年にコミックマーケット66で販売していたが後に一般販売された。 この時追加された最終ダンジョンが、非常に非難の多い出来になっている。というのも、元々はマップの北西にあるキノハレを制圧してラスボスを倒せばクリアできたのだが、そこにやたらと長いダンジョンを今までのシステム通り一歩一歩前進しながら進まねばない要素を追加、このダンジョンだけで攻略に2~3時間ほど費やすのがザラになっているからである。 加えて、ここで出てくる敵スピリット(*10)を倒しても通常通りマナが手に入るのだが、変換されたエーテルを使用できる訓練所などがラストダンジョンには建設できないため、ラストダンジョンで得たマナとエーテルは全て無駄になってしまう。 単純な難しさに加え、無意味な戦闘を繰り返させられて消耗するためプレイしてて純粋にストレスがたまりやすい。戦略を考える必要もなく前に進む以外にやることがないのも難点。 直後に移植されたPS2版からのさらなる移植の殆どがこの仕様に準拠しているため、ユーザーは常に移植される際、終盤の戦いを「『この大地の果てで』仕様ではありませんように」と願うようになったとか。しかし…。 2005年5月12日にPS2版である『永遠のアセリア この大地の果てで』が発売された。 上記のEXPANSIONを標準搭載した上、全年齢対応となったため幾つかのイベントが削除。特に“求め”に身体を奪われそうになるシーンの選択肢が殆どカットされ、自動で悠人が“求め”に抗うようになっている。 イベントシーンも若干簡略化され、長かった現代日本のシーンを大幅に省略、本編で直接行為に及ぶシーンは文章で簡潔に済まされたり、敵国の陵辱趣味の将軍はマインドコントロールが得意ということに設定を変更されたりした。 また、イベントCGも一部修正され、下着や乳首が見えているもの返り血を浴びた過激なものが修正されている。今だったらCERO C(15歳以上対象)ぐらいにすれば出せていただろうか…。 上述したラストダンジョン完備でユーザーが血反吐を吐いた。 ゲームバランスや施設関連にも調整が行われた。 2006年3月3日に『スピたん』が発売された。 本編終了後の時系列で、スピリット達が新しい大地を求めて旅をするファンディスクに近い形の続編。 本編で登場したサブスピリットのうち年少のスピリットが中心で、メインの攻略対象となっているのも年少組のみ。 アセリア以上に難解なバトルシステムを採用したためか、余り評判が良くなかった。また、今回の設定を踏襲したとはいえ悠人に好意を抱いていたスピリット達が他の男に靡くのを余り良しとしなかったユーザーも多い。 とはいえスピたんの主人公のロティが悪い主人公というわけではない。単純に前作ファンほど受け入れがたい作品になってしまっただけである。まぁ、続編モノとしてはそれだけで大きな問題だが。 この後、さらに『スピたん』の中でも大人なスピリットを相手にするファンディスク『アネたん』を加えた『スピたん Special Box』が販売された。 予約特典として『永遠のアセリア ダイジェスト版』が付属された。アセリアルートのシナリオを選択肢なしのADV形式で読むことが出来るほか、サブスピリット達とのHシーンを見ることができる。『永遠のアセリア』関連の作品ではこの作品のみ解像度が800*600で制作されており、最新作の『Premium Special Edition』を含め最も解像度が高い。 2007年8月3日に『聖なるかな -The Spirit of Eternity Sword 2-』が発売された。 永遠神剣シリーズの正当な続編作品であり、他の外伝作品とは違う明確な第2弾である。 該当記事を見てもらうと解るように、続編としての世界観としては悪くないものの異世界モノとしての緊張感は本作より薄れてしまっている。この作品がそれだけ異世界召喚モノとして出来が良かったとも言えるが…。 単純に続編として聖なるかなに求めていたものがそのまま来なかった、という部分も批判の原因ではある。単品では決して面白くないゲームではない。 キモウトも登場する…。 2010年1月29日に『聖なるかな外伝・精霊天翔 ~壊れゆく世界の少女たち~』が発売された。 シミュレーションRPGではなく横スクロールシューティング+エロアドベンチャーとなっている。 2010年5月2日に『永遠のアセリア Special Edition』が発売された。 通常版、『EXPANSION』、PS2版を一体化させた上で18禁版として販売。多くの要素が入った作品をPCでプレイできる。 貴重な公式の設定資料集も付属し、充実した中身で作品を楽しむことが出来る。 ただし、基本的にはPC版と大きく変わっていない。あくまで移植版+おまけ、と考えたほうが良い。 終盤の決戦はラストダンジョンがない無印仕様。 2012年3月8日に『永遠のアセリア(PSP版)』が発売された。 基本的にはPS2版のPSP移植作品。ただ一部のキャラクターにカットインが追加されるなど要素が充実している。 元々マウスの操作で行っていたものだったため、コントローラーでの操作は若干難しいが、全体的な移植の完成度は高い。 PS2版の移植ということで嫌な予感がした貴方は正しい。そう、ラストダンジョン完備でユーザーは再び血反吐を吐いたのだった。 2016年12月22日に『永遠のアセリア Premium Special Edition』が発売された。 2010年に発売した『Special Edition』にPSP版のカットインを加え、おまけとしての『新約・永遠のアセリア』の設定資料集などを付けた新装特別版。 タッチパネルにも対応して遊べるなど、プレイ環境は更に進化。しかし当然ながら基本的な部分は変わっていないため、既に『Special Edition』を持ってる人にはそこまで必要なものではない。勿論おまけ目的で購入をする人はいる。 このように、2003年に発売された作品でありながらファンからの要望も多く移植が作られ続け、今でもメインライターが活動を続け続編への意欲を見せている作品でもある。 しかしここまで見て分かる通り、永遠のアセリアの移植が殆どの状況で十年以上持たせた作品でもあり、多くのファンが新作を長年待ち望んでいる状況でもある。 メインライターである高瀬氏は、聖なるかなの発表後に永遠神剣シリーズに携わるスタッフとザウスを退職、「ETERNAL」というブランドを立ち上げ『輝光翼戦記 天空のユミナ』などを制作。その合間、コミックマーケットなどで同人誌で永遠神剣シリーズの作品を制作し続けている。 永遠神剣シリーズの続編にも意欲を示し、今後も同人での活動は続けていくようだが続編のゲーム化はまだまだ難しいようだ。今後の活動に期待したい。 なお、ザウスは2021年5月30日に廃業を発表した。
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タグ かっこいい 曲名え 歌 川村ゆみ 作詞 吉田ユースケ 作曲 matur suksema 作品 聖なるかな -The Spirit of Eternity Sword 2-挿入歌 ザウスボーカルコレクション4
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アセリア 【出典】永遠のアセリア-この大地の果てで- 【声優】清水香(PC)、浅野るり(PS2) 【性別】女 【人称】 一人称: 二人称: 三人称: 【関連人物への呼称】 高嶺悠人→ユート エスペリア→エスペリア 【能力】 【キャラ紹介】 ラオキスに属するスピリット。その戦闘能力は「ラキオスの青い牙」と呼ばれ、恐れられている。 純真無垢な存在で、元々は戦うことに何の疑問も持たず自身を戦って死ぬための存在だと考えていたが、悠人と触れ合う中で戦う意味と生きることを考えるようになる。 これに関連して、料理にも興味を持つようになりアセリア以外のルートでのエンディングで任務の合間に料理を得意とするべく精進する様子が描かれている。 口数が非常に少なく悠人も当初は何を考えているのかわからず苦労する。 実は、アクセサリーの制作が非常に上手く「聖なるかな」で佳織が付けているペンダントもアセリアが『求め』の欠片をあしらえたものである。 【ロワ本編での動向】 まだ感情が十分に育まれてない彼女は鷹野の言うことに何の疑問も持たずに殺し合いに乗ることを決意。 出会ったカルラに早速襲撃するが戦いしか知らない存在に負けるはずがないと一蹴されてしまう。 気絶から回復した彼女は自分に足りないものが何か悩みながら強者と戦うべく海の家のトロッコに乗り込む。 トロッコの行き着く先には強者はいなかったものの、森の母アルルゥと出会ったことで自身に足りないものに気付き始める。 襲い掛かってくる川澄舞の注意を引き受けつつ、博物館で皆と合流することを約束。 無事博物館に到着するものの、国崎往人の襲撃を受けていた宮小路瑞穂ら一行を救うべく休む暇もなく国崎と戦闘。 国崎を退けることに成功したが、アルルゥは瑞穂をかばって撃たれた傷が原因で死んでいく。 死に逝くアルルゥとは無闇に人を殺さないと約束し、鎮魂の唄を唄う。 カルラやアルルゥ、瑞穂の言葉に少しずつ感情というものの意味を理解していく彼女はもはや傀儡ではなかった。 第二回放送後は再び出会った舞と戦うが、途中狂人鳴海孝之や厳島貴子を生き返らせるべくゲームに乗ることを決意した瑞穂が襲い掛かってくる。 涼宮茜の文字通り命がけの説得により対主催に戻った瑞穂と協力し舞いたちを撃退。舞とは再戦を誓って分かれる。 再会した高嶺悠人とは「国崎往人は仲間」という悠人の言葉に憤慨し、ゆっくり言葉を交わす時間もなく国崎往人の追撃に移る。 その後はついに見つけたアルルゥの仇を殺すべく攻撃するが二見瑛理子や瑞穂の言葉を受け往人と和解した。 殺害経験こそないものの対主催の中でもトップクラスの戦闘回数を誇る人物である。 同じ作品出身の悠人がその戦闘能力の高さからガチバトルを避けられる傾向にあるのとは対照的。
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傀儡のアセリア ◆KZj7PmTWPo 「…………」 塩分を含んだ息吹が鼻を強く刺激させ、耳朶を打つのは静かな小波の音色。 広大で見果てぬ大海が、少女の視界を埋め尽くしていた。 空と海面を区切る水平線は、夜の闇に覆われて判別も付かない。 何処までも深い黒色の水面に浮ぶ月光が、幽鬼のように朧げと揺れる。 その様を、堤防に立つ少女はぼんやりと眺めていた。 自然が奏でる光景をジッと見据える姿は、傍から窺えば無関心と思えるほどに表情の揺らぎが見当たらない。 喜怒哀楽を欠いた様な能面さと淡紫色の長い頭髪が、返って月夜の中では幻想的な程に際立たせていた。 揺らめきのない純粋な瞳は、一体何を想うのか。 彼女は先に述べた“人間”の言葉を脳裏で反芻させる。 ――殺し合いをしてもらうためよ。 そう、言っていた。 『殺し合い』。呼んで字の如く、集められた有機生物で命を奪い合えという意味であろう。 その要求に歯向かった者は、衆目の前で無残にも殺害された。見せしめなのだろか、それも当然の結末だとは思う。 不可侵である筈の命令に逆らったのだ。処罰の方法はともかく、仕置きをされるのは至って普通のことである。 ――どうして歯向かったのだろうか? 罰せられた少年に、彼女はそう感じずには入られなかった。 彼女の名前はアセリア・ブルースピリット。 固体名はアセリアで、ブルースピリットは種族を分別するための記号でしかない。 ――水の妖精のアセリア。未来永劫、永久不変の存在意義は他者の命を奪うこと。即ち、戦場に立つ。その一点のみに尽きた。 他に意義はあるのだろうか。……考えたこともない。 等価交換を原則とした有限世界――ファンタズマゴリアに生まれ出た瞬間より、彼女は戦人として何の疑問も寄せずに生きてきた。 世界はマナという生命エネルギーで成り立っており、そこではマナの結晶体である妖精など一介の道具に過ぎないのだ。 人権が適用されるはずもないのだから、妖精の存在が軽視されているのも事実である。 しかし、単なる使い捨ての消耗品として扱われようが、彼女は一切の悶着も起こしたことはない。それが宿命であると同時に、生きる源でもあるからだ。 世界が彼女の生誕という理由で代償を支払ったのならば、負債のある自分がそれを返済する義務が生じる。 対価として、彼女は生殺与奪の権利全てを他者へと委ねた。自尊心と言い換えてもいい。 そして、彼女は戦い続けた。無表情に、無感情に、それこそ率先して前線を駆け抜けた。 幾多も傷付き、それ以上に傷付けた。幾星霜も戦って戦って、数え切れぬほどに敵と見定められた者を斬り捨てたのだ。 そこに、一片の憐憫や躊躇もない。後悔に苛まれたことすらまったくない。 敵が助けを請おうが喚こうが、容赦なくマナの散りへと変えた。 アセリアにとっての戦いとは、しいて言えば生きる活力。人間で例えると、呼吸運動と言ってしまえる程に身近なものなのだ。 自己を表現できない彼女には、誰しもが持ちうる尊厳と欲望が遥かに欠如している。 ある意味、思考放棄した真っ白な状態で課せられた唯一のことが、戦場に立つことなのだ。 他に望むものはない。言ってしまえば、それしか生き方を知らない。ならば、それを止める道理はない。 だが、そんな命の表現方法を、嘗て叱って諭した少年がいた。――高嶺悠人だ。 悠人はファンタズマゴリアでは異端である、異世界からの来訪者であった。エトランジェという。 紛争のない世界で暮らしてきた彼と、戦乱を駆け抜けたアセリアでは物の価値観が違う。反発は目に見えていた。 彼は言った。自由に生きろと。戦いに意味を持てと。 熱意が篭もった悠人の言葉に、アセリアは何を感じたかと思えば――何も感じなかった。意味が分からない。 彼女が知る方法以外の選択肢を示されても判断に困るし、真意を理解するのにも相当苦しんだ。結局は解らず仕舞いで徒労に終わったのだが。 満足しているわけではないが、アセリアは今の生き方を変えようと努力するつもりはない。差し当たって、立場に不満も不平もない。 現状維持。一番容易く、最も楽な身の流し方だ。 ――戦えればいい。戦わせてくれたら、他に何も要らない。 戦闘狂という訳では決してないが、戦いは自身の存在を証明する尊き行為だ。それ自体に意味を求めることは、果たして必要だといえるのか。 少なくとも、アセリアは必要ないと答える。 自分の全てを代価として投げ打って、敵を撃つため剣を振るのだ。それだけで充分であろう。 行為を否定されれば、彼女とて困ってしまう。 難しいことは考えない。悩むだけなら考えたくはない。 ひたすら戦う。それでいいじゃないか。 正直な話、自分を惑わせる発言を横から挟まないで欲しい。 嘘や虚栄のない偽わざる感情を押し通してこそ、本来の自分らしさというものだ。 無垢な子どものようで、それでいて融通が利かないところが非情に顕著であった。 故に、彼女の存在意義は依然として変わらない。立ち塞がる者がいるとするならば―― 「敵……それなら倒すだけ」 誰ともなしに呟いて、アセリアは大海に背を向ける。 ここは戦場。彼女が望むべくして望んだ戦乱の大地。――やることは変わらない。 一方で此度の戦、不満を上げるとすれば永遠神剣が手元に無いことだ。 生まれて此の方、常に傍にあった帯剣が失われることは存外に不安へと駆り立てられる。 神剣がない――つまりはマナの光源体であるハイロゥが展開できないということだ。大幅な戦力減退である。 戦闘を行うスピリットの大半は、能力を増幅する神剣に依存する余り、剣を手放すと半ば無力化してしまう。 それでも、一般人との基礎体力は比べくもないほどに充分脅威的なのだが、弱体化は否めない。 だが、アセリアには今まで培ってきた類稀な剣術の技能がある。加えて、生涯を戦に捧げた豊富な経験も備わっているのだ。 後は武器さえあれば、神剣無しとはいえ計り知れない戦力を持ち得るのではないか。 彼女は左手に持った長い筒を天に翳した。 「……ん」 ――在ったのだ。アセリアにおあつらえ向きの武器が。 翳した長筒を腰に留め、右手は柄に添え、左手の親指で鯉口を切る。 カチャリ――という乾いた音が小さく響いた瞬間、彼女の右腕がぶれた。同時に、洗練された風切り音が発せられる。 「…………」 抜刀体勢で暫し静止。鯉口に鍔元の刀身を合わせて滑らせ、優美な動作で切っ先を納刀。 これが彼女に支給された戦闘手段、日本刀――地獄蝶々だ。 アセリアにとっては馴染みのない武器だが、夜の妖精が持つ永遠神剣と、確か同じ形状だったはず。 見よう見真似で振るってみたが、身軽な彼女にとっては意外と悪くない。 悪くはないが、やはり筋力諸々が著しく低下していた。 精々成人男性の水準を大きく上回る程度でしかなく、刀とて何度も振るえるものではなさそうだ。 彼女の本来の戦い方は、加速力を加えた大剣で敵を叩き潰すこと。その点を省みるならば、大剣よりも鋭く軽量な刀であったのは運が良い。 現在の虚弱な状態で、不釣合いな重量過多の武装を配給されても困ること請け負いだ。振れないのだから無用の産物だろう。 一時的に自身の相棒と定めるが、それでも永遠神剣を欲することを止めることは出来ない。 不可思議なことに、この場所はスピリットの生命を供給するマナが酷く希薄だ。そのくせ、彼女の体内にはマナが溢れかえっていた。 これは戦闘能力に変換されているわけではなく、単純に生命活動の維持という措置が成されている。 つまり自立稼動する上では、ある程度月日を重ねても問題は無いということだ。 充分なマナが備わった今、永遠神剣を手にすれば攻守共に遅れは無い。妖精に神剣とは、正に鬼に金棒なのだ。 もしかしたらという願望を抱いて、永遠神剣を探してみることも忘れない。 ある意味で依存した永遠神剣の存在だ。どんな手段を用いても手元に戻したかった。 アセリアは小さく頷いて、歩みを進めた。 目的地は無い。ただ真っ直ぐと、朽ちるまで愚直に進むのみ。 無論、特定の標的も持たない。全てが敵対者と成り得るのだ。 他者は打倒すると決めた。ならば、語る言葉は既に無く、振り切るのは自尊と一太刀の剣のみ。 殺し合えと言われたら、四の五の言わずに殺し合う。そこに、良心的な躊躇いは無い。 人間には逆らわないスピリットが、逆らえるはずの無い人間へと牙を向く。 ――二律背反。矛盾であることにも気付かずに、意味も価値も元よりない殺人を犯そうと彼女は躍進する。 それは、盤上に居並ぶ操り人形の駒。吊るされた糸には目もくれず、この先起こる闘争に思いを馳せた。 彼女は眼前に広がった漆黒の帳を冷然と見据える。陰鬱とした暗闇は、己を蔑ろにするアセリアの未来を示唆しているかのようだった。 【H-5 船着場/1日目 深夜】 【アセリア@永遠のアセリア】 【装備:地獄蝶々@つよきす】 【所持品:支給品一式(他は不明)】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:永遠神剣があれば、即座に確保 2:鷹野の言葉通り、殺し合いを行う。 【備考】 枯渇の心配が無いほどにマナを保有しています。よって、ハイペリアに訪れた時のようなマナ不足による体調不全を起こすことはありません。 悠人やエスペリアが参加者として存在していることを知りません。 彼女の精神は、悠人の考えに共感するほど育まれてはいません。 024 前を向いて 投下順に読む 026 おはぎと仮面と校内放送と私 024 前を向いて 時系列順に読む 026 おはぎと仮面と校内放送と私 アセリア 043 戦い、それが自由
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PS2/PC ○通常ルート プレイヤー 動画 タイム 投稿日 備考 ラフィル sm15338002 1 29 25" 2011年08月18日 PC ○二人旅 プレイヤー 動画 タイム 投稿日 備考 ラフィル sm15715655 1 24 40" 2011年09月26日 PC 名前 コメント すべてのコメントを見る
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その周で獲得した「資金・PP・撃墜数・隠し武器・隠し特殊スキル・特殊スキルスロット・隠し強化パーツ」を引き継ぐ。資金・PP(個別)については二周目開始時で累計の75%、三周目以降は100%。 今回は獲得資金の上限がちゃんと増えたので二周目の時点で前作の倍以上持ち越せる。 クリア時の改造状態・レベル・通常スキル・ポゼッションの習得・獲得通常強化パーツは引き継がない どんな数でも正確に75%。という訳ではなく、何らかの補正がある模様1周目終了時、ファング1905、ジノ1957のとき、2周目で加入する時は二人とも1500PP所持だった 加入するMAPで下限が決まっていてそれ以下なら一定値に補正される?
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その周で獲得した「資金・PP・撃墜数・隠し武器・隠し特殊スキル・特殊スキルスロット」を引き継ぐ。資金・PP(個別)については累計の50%。3周、4周と周回を重ねても%の上昇は無し。 3周目の引継ぎ額は((1周目×50%)+2周目)×50%になる。PPの計算も同様。 ゲンナジー、トレイスは参加しなかった周でもPPは半分になってしまう 引継資金は資金の数値限界が9,999,999の為か総獲得資金がこれを上回る場合は4,999,999となる。 クリア時の改造状態・レベル・通常スキル・ポゼッションの習得・獲得強化パーツは引き継がない。 終盤のルート別に入る仲間はPPの値が固定されていて、PPを引き継がない。撃墜数は引き継ぐ。第29話サフィーネのPPは必ず0になっている。